研究課題名 A01-1 | 反応性微量成分による海洋大気化学過程の変調 |
研究代表者 | 坂東 博 | 大阪府立大学 大学院工学研究科 |
研究分担者 | 加藤 俊吾 | 首都大学東京 都市環境科学研究科 |
| 高見 昭憲 | 独立行政法人国立環境研究所 アジア自然共生グループ |
| 定永 靖宗 | 大阪府立大学 大学院工学研究科 |
研究概要 |
海洋大気中の大気酸化反応系は海洋生物活動由来の前駆物質(DMSや海洋性VOC)が中心となり大気酸化物ラジカルによる連鎖反応により進行している。
海洋大気中に存在するNOxはこの連鎖反応サイクルの活性を支配する因子であるばかりでなく、最終的に硝酸となり海洋に吸収され海洋の生物生産活動におけるNの主要供給源として生物活性も支配している。
本研究では、ここに係わっている物質を総合的にできるだけ人為影響を受けない形、すなわち周辺からの人為活動の影響の少ない離島や船舶を利用した外洋上、で直接観測し、海洋上で働いている大気化学反応系を明らかにすることを目的とする。
同時に、離島(沖縄北端)において総NOyや硝酸・硝酸塩(有機硝酸エステル類を含む)といったNOx由来の物質やアンモニア・アンモニウム塩を中心とする人為活動由来の長期連続観測を継続することにより、経済発展が著しい東アジア地域からもたらされる含窒素化合物の海洋大気への影響を定量的に理解する。
このような海洋上の大気化学反応理解だけでなく、NOxやアンモニアからの最終生成物である硝酸および硝酸塩・アンモニウム塩の濃度を明らかにすることにより、大気から海洋へのNの流入量を定量的に評価し、海洋の生物生産性に対する影響に関しても検討する。
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研究課題名 A01-2 | 海洋起源ハロカーボン類のフラックスと生成過程に関する研究 |
研究代表者 | 横内 陽子 | 国立環境研究所 化学環境研究領域 |
研究分担者 | 橋本 伸哉 | 静岡県立大学 環境科学研究所 |
| 伊藤 伸哉 | 富山県立大学 工学部 |
| 大木 淳之 | 独立行政法人国立環境研究所 化学環境研究領域 |
研究概要 |
海洋から大気中には多くのハロカーボン類が放出されている。
その中には、塩化メチルや臭化メチルのように比較的大気寿命が長く、成層圏まで運ばれてオゾンを破壊するもの、ブロモホルムやヨウ化メチルのように短寿命で臭素やヨウ素を放出し、海洋境界層を中心とした対流圏のオゾン破壊やエーロゾル生成に関与するもの等が含まれている。
これらハロカーボン類の多くは、藻類などの生物起源と考えられているが、海洋から大気へのフラックス量およびそれを左右する要因についてはほとんど何も分かっていない。
本研究では、(1)大気・海水中ハロカーボン分圧の広域観測を行って、地球規模・地域規模のハロカーボンフラックスに関する知見を得る、(2)海洋におけるハロカーボン生成過程を明らかにしてハロカーボン発生量に対する温度や栄養塩等の環境要因の影響を明らかにする、(3)藻類等生物によるバイオハロゲネーションのメカニズムを分子レベルで解明し、ハロカーボン発生量と酵素活性との相関を明らかにすることを目指す。
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研究課題名 A01-3 | 海洋に沈着する大気粒子中の微量元素と有機物質および海洋起源大気粒子の生成過程 |
研究代表者 | 植松 光夫 | 東京大学 大気海洋研究所 |
研究分担者 | 河村 公隆 | 北海道大学 低温科学研究所 |
| 三浦 和彦 | 東京理科大学 理学部 |
| 長田 和雄 | 名古屋大学 大学院環境学研究科 |
| 向井 人史 | 独立行政法人国立環境研究所 地球環境研究センター |
研究概要 |
本研究では、大気を通して海洋表層へ輸送されてくる陸起源エアロゾルに含まれる微量元素や微量有機物質の沈着フラックスを実測とモデルから見積り、海水成分、海洋生態系の変動にどの程度寄与するかを推定する。
また、高生物生産海域から海洋生物起源気体が大気中に放出された後、海洋大気境界層内で生成された、重量濃度は低いが、高い粒子数濃度を持つ微小粒子を、個々にリアルタイムで計測を行う。
これによって、粗大粒子である海塩粒子とともに海洋起源エアロゾルの物理的・化学的特徴と粒子化効率、生成フラックスを海域別に評価することが目的である。
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