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SOLAS International

SOLAS News Letter

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概 要

はじめに | これまでの経緯


はじめに

近年、北太平洋亜寒帯海域において生物ポンプによる炭素隔離を促進する鉄散布実験が行なわれている。生物生産が活発になることにより、深海への炭素輸送が促進されるだけではなく、海洋生物が大気中へ放出する気体と粒子化によるエアロゾルの増加を導き、洋上で負の放射強制力を強める。

一方、北太平洋亜熱帯海域においては地球環境の変化が窒素固定を行うプランクトンの増加を引き起こし、懸濁粒子中のN/P比を変えつつあるという長期観測の結果が報告された。このことは海洋における生態系の変化と海洋大気への温室効果気体の放出を示唆している。

地球規模での人類活動による影響を受けつつある海洋と大気環境の現状の把握だけではなく、その人為的な炭素隔離に伴う海洋大気へのフィードバックについての仮説検証は、これからの地球環境問題を解決する手法を確立する上でも不可欠である。またこれらの観測結果に基づくモデルの高度化と予測モデルの確立を急ぐ必要がある。

海洋・大気間の物質相互作用計画(SOLAS: Surface Ocean-Lower Atmosphere Study)は、このような海洋と大気の境界を中心とした地球規模の海洋生物活動も含む現象を化学、物理、生物分野などの共同研究として展開する地球圏-生物圏国際協同研究計画(IGBP)第2期の新しいコアプロジェクトとして、立ち上げられた。

本プロジェクトは、我が国の海洋科学、大気科学各分野のSOLASに興味を持つ研究者を中心に、共通の研究プラットフォームである船舶を利用し、太平洋の特徴ある海域で実施する国際共同観測研究計画を実行するものである。また、世界中の研究者、とくに環太平洋諸国のSOLAS研究者(オーストラリア、カナダ、中国、韓国、タイ、ニュージーランド、米国)と交流し、太平洋を中心とした国際共同研究を進める。

大気を経由した自然起源物質や人為起源物質による攪乱を受けている現在の海洋・大気間の物質循環を中心とした地球環境科学の新しい分野としての確立を目指すものである。


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これまでの経緯

SOLASは、海洋生物地球化学的過程と海洋大気との相互作用に焦点をあてたIGAC、JGOFS、WOCEと同様のプロジェクトとして、CLIVARにも深いつながりをもつIGBP/SCORの研究組織として発足した。1997年にLondonでSOLAS立案委員会が発足し、1998年に計画実施委員会が英国,Norwichで開催された。本研究代表者はこの委員会委員として招聘された。その結果、2000年2月20-24日、ドイツ、Dampにおいて開催されたOpen Science Meetingを開催、2001年10月には、アルゼンチン、Mal del PlataでIAPSO/IABOシンポジウムでの特別セッション、2003年7月には札幌でのIUGG総会時にSOLAS特別シンポジウムをIAMAS, IAPSO, IAHSの共催という形で開催した。2004年10月にカナダで第一回科学シンポジウムが開催される。

日本ではIGBP国内委員会、IGAC、JGOFS、LOICZ、GLOBECなどの小委員会での理解と協力を得て、SOLAS小委員会の設置が承認された。日本学術会議で2002年3月にIGBP国内シンポジウム「海関連プロジェクトの今後の方向と接点」、2002年8月に海関連プロジェクトの一つとしてSOLAS関連の検討会を開催した。これらの検討結果は月刊「海洋」の総特集号などに公表している。日本海洋学会、日本地球化学会、日本大気化学研究会、日本気象学会、日本エアロゾル学会などの所属会員において高い関心を集めている。

また2003年6月にカナダのバンフで開かれたIGBP ConferenceのSOLAS SSC Meetingにおいて、環太平洋諸国をはじめ、20カ国が国内委員会を立ち上げ、カナダ、英国、中国がすでにSOLAS関係の大型予算を獲得していることが報告されている。日本においても他国に先駆けて、鉄散布の予備実験がPICESの一環として2001年8月に実施され、高い評価を受けている。カナダSOLASの鉄散布実験が2002年夏に実施され、日本のグループも共同研究として参加した。SOLAS-Japanの全分野に渡っての本格的な研究の取り組みの必要性が高まっている。


  • Focus 1: 海洋と大気の間での生物地球化学的相互作用とフィードバック
    • Activity 1.1: 海洋起源エアロソルの放出と変質
    • Activity 1.2: 微量気体の放出と光化学的フィードバック
    • Activity 1.3: DMSと気候
    • Activity 1.4: 鉄と海洋生産力
    • Activity 1.5: 窒素の海洋大気循環
  • Focus 2: 大気/海洋境界面での交換過程と境界層での輸送と変質
    • Activity 2.1: 大気-海洋境界面を通した交換
    • Activity 2.2: 海洋境界層での過程
    • Activity 2.3: 大気境界層での過程
  • Focus 3: 二酸化炭素の大気海洋間のフラックスと長寿命の温室効果気体
    • Activity 3.1: 二酸化炭素の大気海洋間フラックスの地理的,経年的変動
    • Activity 3.2: 海洋表層での炭素の変質: 地球環境変化への寄与
    • Activity 3.3: N2O と CH4 の大気・海洋間のフラックス
  • 共通の実施項目
    • モデリング
    • リモートセンシング
    • 時系列観測
    • 沿岸域
    • 古環境学研究

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